高大融合による理数科高校教員の養成

奈良北高等学校「探求科学」支援事業

平成19年7月28日(土)、8月4日(土)に、奈良教育大学(化学第一実験室、生物学大実験室、学術情報研究センター情報館3階)において奈良県立奈良北高等学校「探求科学」支援事業の講座を行いました。さらに平成19年11月9日(金)、13日(火)、22日(木)に、奈良北高等学校において講座を行いました。


7月28日(土)

「身近な有機化合物を合成する-薬の合成-」
化学第一実験室 教授 山崎祥子

有機化合物、有機合成、医薬品の有機化学などについて概説しました。アセチルサリチル酸(アスピリン)の合成の実験を行いました。核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)などの有機化合物の構造決定に用いる測定機器および実験室を見学しました。

    


「菌根の観察とDNA」
生物学大実験室 准教授 菊地淳一

DNAの抽出、増幅、精製、特定部位の塩基配列の決定、DNAを用いた種の同定といった一連の操作を行うことにより、DNAを実感をもって把握しました。遺伝子というのは親から子供に遺伝される「もの」を指している言葉ですが、遺伝子という言葉とDNA鎖という言葉の違いについて考えました。生物が胚から発生して、成熟個体となるまでの生物的な変化を司る機構について考えました。

    


8月4日(土)

「化学結合とは何か? 反応はどうして起こるのか?」
学術情報研究センター情報館3階 教授 山邊信一

本講座の目標は、物質の成り立ちと、そのさまざまな変化や化学反応を、分子レベルで系統的に理解することです。高校化学を履修していて、いろいろな疑問が生じます。例えば、「融点801度Cの堅い食塩のイオン結晶がなぜ、常温で水により、簡単に破壊される(電離する)のか?」あるいは、「なぜ、二酸化炭素が温室ガスなのか?」、「お酒は酸っぱくないが、食酢はすっぱい。なぜか。」
分子や分子集団の挙動を注意深く調べていくと、目に見える現象を生み出す微視的世界でのパターンが見えてきます。単元を超えて現象を理解できれば、化学は面白い教科ですよ。

    


「ゾウリムシにおける走光性に関する研究」
生物学大実験室 准教授 石田正樹

ゾウリムシを研究材料として、細胞運動の基礎的知識を学ぶことを主題とします。細胞の興奮性を理解し、細胞膜電位の変化により引き起こされる繊毛運動の変化、その変化を引き起こす様々な刺激との関係を、走性に関する実験をとおして考察しました。

    


11月9日(金)

「数列の和の公式、その広がり」
准教授 川崎謙一郎

高等学校数学 B で学習する数列の和の公式 1+2+3+...+n= n(n+1)/2 (1次の和の公式)、(2次の和の公式)、(3次の和の公式) とその広がりについて講演をしました。 数列の和の公式に現れるベルヌーイ数の始めのいくつかと一般公式について紹介しました。日本の和算家関孝和もベルヌーイと同時期に同じような結論に達していたのは、日本の独自の数学の誇れるところです。1次の和の公式についてガウスの方法による求め方から始め、数学の歴史を踏まえ、人々の何故に厳密に答えてきた数学のすばらしさを生徒さんに感じてもらいました。

    


「界面の世界」
准教授 中田 聡

界面の世界について、生活で使われている界面科学、これまでの界面科学の歴史について45分間前半講義、後半45分は、界面張力差を駆動力とした自律運動系の実験を行いました。実験では、樟脳船の自律運動と駆動力の解明、間欠運動をする樟脳船のデザインとその仕組みについて実験を通して解説しました。

    


11月13日(火)

「結び目の数学」
准教授 市原一裕

通常、高等学校で行われている科目としての「数学」とは全く異なる「現代数学」を感じてもらうことを目的に、位相幾何学の一分野である「結び目理論」を題材として講義を行いました。実際に「ひも」を用いて、変形の様子を確かめることによって、日頃は身近なものである「結び目」が数学研究の対象となりうることを観察してもらいました。またさらに様々な自然科学(天文学、分子生物学など)と密接に関わる様子を解説しました。

    


11月22日(木)

「河川・湖沼の水環境問題を考える」
准教授 藤井智康

環境問題の中でもとくに、われわれの生活に密接に関係する水環境問題について少しでも意識してもらうために、講義・実験を行いました。知っているようで知らない水の特性は、湖沼の水環境を大きく変化させ、最近問題となっている琵琶湖の湖底貧酸素化と関連させ説明しました。また、普段はわれわれが見ている表面だけではなく、湖沼の内部では様々な現象が生じていることを、実測例(チベット・プマユムツォ湖)を用い理解してもらいました。河川環境を理解してもらうために、「河川の水質を悪化させる物質は何か?」として、/塩(家庭排水などの無機塩類を想定)、▲オリン(濁度を想定)、グラニュー糖(有機物汚濁を想定)の3種類をそれぞれ蒸留水で溶かし、電気伝導度、pHパックテストによりCODを測定し、見た目の水質と各測定結果から何がもっとも影響を及ぼすかを簡易水質試験により考察してもらいました。

    

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